我が家は、車は持たずに10年以上、レンタカー・カーシェアを利用しています。
11年前までは、単身赴任中の義父が乗らない車を借りていたのですが、今の住まいに引っ越したのを機に、それもお返しすることにしました。
学生時代から海外が好きで「トランク一つで旅するように暮らしたーい」と思ってきた私。なるべく物は増やさず、増えたら何かを処分する暮らしを続けてきました。車もその一つで、夫婦揃って、”管理が負担だから、所有物としてはいらないね。” でも ”あると便利だから、乗りたいときに気楽に乗りたいね。”と思っていました。
それに合致するのがレンタカーとカーシェア。当初はレンタカーを使っていましたが、5年ほど前?から我が家の周りにもカーシェアが増え、利用頻度はいつの間にかカーシェアの方が多くなっています。
持たないことへの精神的苦痛に耐えられるか
正直、我が家が暮らすエリアは、いくら駅近といえ、まだまだ車を持つ人が多いエリア。
長女次女がまだ保育園時代、同じクラス40名程度の中で、車を持たないのは我が家だけ。当時は、今ほどカーシェアが発達していませんでしたから、我が家は明らかに変わり者か、車が買えない人と思われたことでしょう。笑 これには、ちょっとした精神的苦痛を味わいました。笑
クラスでどこかへ遊びに行こう、となると、当時、我が家は電車バスもしくはタクシーで向かっていました。レンタカーを借りるほどでもなかったし、そもそも早朝からお店が開いてませんから。
行きはまだ良いのですが、帰りは周りの目線も自分の気持ちも辛かった…。皆がマイカーでさっさと帰る中、我が家は姉妹を抱きかかえ、テクテクとバス停へ。同じマンションのお友達が、荷物は乗せていくよ、と乗せてくれた時もありましたし、可哀そうだから、と我が家の全員を乗せてくれることもありました。
我が家は、敢えて車なし生活を選んでいるので、お気遣い不要です、と言いたいところでしたが、多分、哀れに映っていたんだろうなと思います。実際、何度もそう伝えたのですが、良いよいいよ、と。疲れていたのでありがたかったのですが、同情されている感じがして、すごく恥ずかしかったです。
その後も、何かと車ありきのお約束が多くて、その度に、我が家持っていないので…と言うのが恥ずかしかったし、車を持たないってこんなにアウェイなのか、と切なくもありました。
実際に、子育て中の我が家にとって、車を持てば行動範囲が広がったのに、と思うことは多かったです。(その点、ちょこっとだけ乗れるカーシェアは、すごく画期的だと思っています。)
でも、それでも我が家に必要なかった。
車を持つと、自分の様々な欲に耐えられなくなりそうだなと思っていたからです。
夫婦2人生活の時は、休日は必ず出かけておいしいものを食べて…車でドライブはお決まりの過ごし方でした。でも、子供が産まれた今は、貯蓄も健康も大事。お出かけ三昧で散財、外食が続く日々が戻ってきてしまいそうで、自分が怠惰になってしまいそうな気がして、それとは決別したくて。
夫とも話し合いながら、自分との戦いを続けました。
周りの雑音・子供たちへの伝え方、考え方
この間何度も、友人や同僚から、「え?車なしで3人育ててるの?マジ???」と言われました。
こどもたちも、無邪気なクラスメイトから、「車がないって貧乏なの??」と言われたことがありました。言われたときは、ユーモアのある切り返し方を教えて、子どもたちには、「車を買うお金はあるよ。でも、父さん母さんは、カーシェアやレンタカーで充分だと思っているんだよ。お金は大切で、限りがあるから、他の楽しみややりたいことに使うために残しているんだよ。」と伝えてきました。
とはいえ、心が折れそうなときもあったし、今に見ていろ~と思ったこともありました。
気付けば10年。子供たちが大きくなった今では、公共交通機関だけでなく、自転車・徒歩の選択肢も増え、ラクになっただけでなく、今まで以上に”車以外の”お出かけの楽しみも出来ました。
10年の車なし生活で得たもの…
・お金。何といってもこれでしょ。車がなかったおかげで、数百万は浮いてます。
・精神的な強さ。恥ずかしさに耐えることはもちろん、なぜ必要ないのか、逆になぜ必要だと思うのか、常に自問することで、周りに流されない、強さを持つことが出来ました。
・我慢、社会性。小さいころから公共交通機関に慣れている子供たち。電車バスでは静かにする、マナーを守る、疲れていても座れないことがある、席を譲ることもある、が自然と身についています。
・発見。我が家は”一駅散歩”で休日を過ごしたり、電車やバスの一日乗車券を使ったり、10Kmウォーキングなどへ参加することが多いです。長女次女も、未就学時からウォーキングに参加。長男も、ベビーカー持参で何回か。車だと気付かなかったお店や建物に、歩くと沢山出会えます。
・非認知能力。我慢、社会性とも関連しますが、疲れていても歩かねばならぬときがある、そして、歩みを止めなければ目的地に着ける(達成出来る)という経験を、子どもたちは何度もしています。これはとっても大きな力で、生活面や学習面にも間違いなく活かされている、と思っています。
・マンションリフォーム。見栄を張らずに持たない生活を続けてきたおかげで、自分たちにとって本当に必要なものが分かり、3年前に、同じマンション内では誰もやっていないリフォームに踏み切れました。「え、何でやるの?」ここでも言われましたが、見栄ではなく、本当に必要だと思うから決断できました。
自分たちで選ぶ、流されない経験は、様々な物事を判断していく糧になっています。
今後の方針
車なし生活を続けて10年。
間もなく、戸建てに引っ越すタイミングがやってきます。
冒頭に書きましたが、このエリアは車が当たり前のエリア。戸建てに車がないおうちは、ほぼ見ないです。
我が家はどうするか。
今のところ、持つ予定はありません。敷地の都合で駐車場は作りますが、全くもって車購入の予定なしです。夫は、「長男がもしスポーツを始めたい、と言ったら検討する」と言っています。私もそこは異論なしです。ただ、車を持たない快適さを知ってしまった私たち夫婦。どうしても、車を買う、所有する、手放す行為の面倒くささを感じてしまいます。
そこで、今のところ予定はありませんが、もしも所有するとしたら…と言う想定の下、以下の3か条を決めました。
① リースなど、なるべく持たない・所有しない方向で探す
② ①を検討した結果、代案がないなら中古を購入する
③ 持つとしても期間限定にする
この3か条はぶれずにいきます。だって、今まで所有せずにやってこれたのだから、これから先もやっていける。
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